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2010年9月の4件の記事

2010年9月26日 (日)

奥丸山:弱っちいやつであった

奥丸山
2010年9月25・26日

25日

しばらく夏バテの後遺症で体調が悪く、山行を控えていたが、山に入れば調子を取り戻すものと期待して入山した。どこに行くか紆余曲折したものの、出発の30分前に槍ヶ岳でテン泊することに決定、急ぎ装備を整えて新穂高へと向かった。駐車場で車中泊するものの、眠れないまま4:30に歩き出した。暗い中、右俣谷を行く・・・。6:20に白出沢。

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(改めて見ると良い標語である)

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(滝谷上空)

快調に足がすすまない。多くの登山者が追い越してゆく。槍平には、8:50到着、もうすでにバテバテである。体調悪し。アプローチの槍平でこの状態では、この先厳しいかなあ。

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(槍平ではいつものくまさんがお出迎え)

とりあえず、ほぼコースタイム通りなので、先に進むことにする。なんとか騙しながら2300mあたりまで登ったところ、2度ほどふらついていてしまった。水場で休息をとる、一瞬眠ってしまった。休みながら進めば穂先まで行けるは分かっている。夕焼け、朝焼けが見事なのも分かっている。二度と見られないような、すばらしいものかもしれない。

・・・。

降りよう。山を苦行としないことに決めたはずである。安全に楽しむべし。11:00槍平に幕営し、食事をとって爆睡した。やはり体は休息を求めていた。

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(槍平小屋のラーメン)

体調が悪いせいか、体が温まらず、夜は寒さでしばしば目が覚めた。
朝、テントのフライは凍り付いていた。

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(寒いはずである)

26日
今日は、中崎尾根に登り、奥丸山、そして左俣谷側へ降りることにする。当初の予定では槍ヶ岳から西鎌尾根を経由し、中崎尾根を下って奥丸山に登頂するつもりであった。
朝露に濡れるのが嫌だったので、8:00、山の斜面に陽が当たるのを確認して出発した。9:05奥丸山頂上2440mに到着。周辺の山々が一望できる。紅葉はまだまだといった状況である。

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(笠ヶ岳が大きい、大部分が抜戸岳という気もする。全体を笠ヶ岳と称するのだろう)

ここからの下りは、有機物が堆積した膝にやさしい道のりであった。左俣谷まで1000mほどの標高差であるが、素直なルートどりで、サクサクと下ることができた。下丸沢周辺は、気持ちの良いブナ林で、「気持ちい~ぃ」と叫びながら下ってゆく。10回は叫んだかなあ。来てよかった。

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(途中にあった水場、ここも気持ちい~)

すっかりデトックスされ、ご機嫌である。のんびり歩いてゆく。こんな道乗りなら何時間でも歩けそうである。
左俣谷はたっぷりの水量である。水がきれい→美しい。11:30わさび平に到着。

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(わさび平ではカツ丼を食す)

山の写真を撮りながら、林道を下ってゆく。

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(秋の雲)

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(穴毛谷の右岸岩壁、面白そうな場所である。今度、クリヤ谷のコースで笠に登ってみよう)

登山口にあるニューホタカでは、500円で日帰り入浴できる。一旦、駐車場まで下って自家用車を回収し、ニューホタカに戻った。なかなか良いお湯である。気に入ったぞ。また来ます。

追記:
・上部で、草紅葉がすすんでいるが、それより低い場所の木々は黄化というより褐変しているようにも見える。例年より、紅葉は遅れており、もしかしたら先に雪が降るかもしれない。
・冷たい雨に濡れたくない。これからの時期、天候の悪い日は、入山しないほうが良い。
・今回は2度も山小屋で昼食をとった。今後も上手に活用しようと思う。
・教訓、体調が悪い時はテン泊をあきらめ、装備を軽くすべき。

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2010年9月21日 (火)

ケストレル28:お世話になっております

今年の夏はとにかく暑かった。
小生は自然な夜風が大好きなので、寝室にエアコンを設置していない。一方、本年は、夜風がほとんど吹かない年であった。加えて、日中は戸外で作業することが多いため、完全な夏バテ状態に陥ってしまった。特に、異常に暑い9月上旬に戸外での作業が集中して疲れ果てていたところに、急に気温が下がって体調を崩してしまった。とにかく「ダルイ」のである。仕事の能率も低下し、デスクワークもたっぷり溜まってしまった。

おかげで、先週の休日とこの3連休は、完全休養あるいは職場での残務処理で終わってしまい、山には入れなかった。まあ、若くはないのである。

さて、以上とは無関係であるが、今日は道具(ザック)についてコメントしたい。先にも、このザックOsprey Kestrel28 Papricaを購入した経緯を紹介したが、今回は使用してみての評価である。結論を先に言うと「とても良い製品」である(当然、欠点もあるけど)。

購入したのは2009年の5月末である。その後、これを担いで計25回(31日間)山に入った。テント泊以外は、すべてこれで済ませている。

まず、本製品の特徴について一言

①AirScape Backpanel:背中に当たる部分の洗濯板構造、蒸れが少なくて実によい。
②Hipbelt pockets:主にゼリー飲料やおやつを入れている。便利である。ザックを下す回数が減った。
③Ice Ax Loops and Bungee:輪っかが大きい。ストックを2本束ねて装着できる。アックスを装着すると、先端が後ろの人の目の前に飛び出す感じになるので、注意(対策)が必要である。
④Integrated Raincover:雨が降る日は山に入らないので、使ったことがない。
⑤Stow-On-The-Go™ Trekking Pole Attachment:評判のストックを脇差にする機構、外すのが面倒であまり使っていない。岩場では、ストックをザック本体にしっかりと装着した方が安全。
⑥Stretch Woven Front Pocket:これとても便利、なんでも突っ込んでいる。なんと、Platypusの2.5Lがすっぽり入る。これに加えて、背中のハイドレーションポケットにBig Zip SL2.0Lがすっぽり入る。合計4.5Lの水をザック容量以上に担ぐことができる。
⑦Stretch Woven Side Pocket:少々浅く、ペットボトルの形状によっては、落としてしまう。
⑧Zippered Top Pocket:上蓋のポケットのことであるが、オスプレーのザックはどれもこれが狭い。せめてもう0.5L余裕があれば、ずいぶん使いやすいと思う。

その他感想
・思ったより容量がある。なんでも入る。
・地味?
・⑥⑦のストレッチ部は大変便利であるが、泥汚れが付きやすい。雪の付着が懸念されるので厳冬期は持参しないかもしれない。サイドはゴムが若干伸びてきている。
・重い荷物になることを想定していないのだろう、縦走装備でかなりの重荷になったときはショルダーハーネスが、肩に食い込んで痛かった。普段は全く問題ない。
・装着したピッケルのピックが当たる部分の生地が傷んできた。生地はそんなに強くない。普通の山行では全く問題にならないと思う。

機能性はほぼ満足している。今後も日帰りや小屋泊の山行にはこれを使うと思う。一方、ビバークを前提にした縦走、冬季のアタック用にはもう少し容量が欲しい。古いZeroPointの35Lを所有しているが、ハイドレーションシステムが使える今風のものが欲しい。機能的にはVariant 37が相当するが、真っ赤てのがどうも・・・。P10205591_2

(戸台川渡渉後の風景、ケストレル28)

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2010年9月 5日 (日)

南岳・北穂高岳:そこにビールがあるから登る

2010年9月3~5日

あまりに暑い日が続くので、山へ避暑に出かけた。テント装備で荷が重く、ちと難儀したが、出会いもあって楽しい3日間であった。

3日

新穂高の駐車場に車中泊し、明るくなると同時に出発した。右俣沢を行く。この辺は熊が出るので、熊鈴を鳴らしながら進んでゆく。
そうすると、槍平で、かわいいくまさんが出迎えてくれた。

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(槍平小屋のくまさん。けど、本物には注意)

これだけで雰囲気が明るくなる。日当たりのよい場所に、ベンチが設置されていて、のんびりしたくなってくる。これまで、何度か槍平にはテン泊したことがあるが、機会があれば小屋にも泊まってみたい。雰囲気づくりって大切だよね。
ここで、新たに水を2.5L補給する。今年はまともな雨が降っていない。稜線上での飲み水を確保しておこう。しかし、重いなあ。

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(しばし南沢を行く)

南岳新道は、いきなりの急登である。登るのも大変だが、下るのも大変そうである。途中、霧雨状態となったが、雨具を付けずに進む。涼しくて、気持ちが良い。途中、2600mぐらいの場所に、救急用品・非常食などがデポされていた。良い、システムである。

南岳のテント場は風が強いものの、快適な場所であった。小屋でビールを調達し、ここまで前後しながら歩いてきた男女2名のパーティーと語らう。彼らとは、下山後の温泉まで一緒であった。
ちなみに、小屋で配給していた水は7月に採集した天水とのこと、歩荷してきた水が大いに役立った。

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(晴れ間は急にやってくる)

早速、サンダル履きで南岳に登る。

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(南岳から見た穂高の山々)

早めに就寝。風が強く、しばしば目が覚める。雨も降ったが、朝は良い天気であった。

4日
日の出前に出発。いい感じ。良い日になるぞ。

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(八ヶ岳、富士山、甲斐駒)

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(これから進む、大キレット、穂高の山々)

山々が赤く染まるのって何て言うんだっけ?とにかく、山は朝が一番良い。大キレットを進んでゆく、ナイフリッジも何か所かあって、スリルを楽しみながら進んでゆく。

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(途中振り返り見た小ピーク、これが長谷川ピークでしょうか?どうでもいいけど)

急登になり、ややこしい岩場の登りが延々と続く。装備が重く、軽快とは言えない登りであった。なお、それなりにルートは整備されているが、全体重を預けるには問題のある岩(いつかは落ちる)が随所にあった。
北穂高小屋のテラスを通り抜け、北穂高岳山頂には、8:15頃到着。人がグッと増える。

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(北穂高岳から見た、槍ヶ岳、南岳)

今日は雲が少なく、はるか遠方の山々も望むことができた。ここで、携帯の着信履歴を確認、業務連絡を済ませる。
尾根沿いを涸沢岳へと向かう。飛騨泣きに負けず、悪い道である。思いのほか時間がかかった。穂高岳山荘には、11:30頃到着。このまま、白出沢から下山するか、少しだけ試案。その時間は十分にある・・・。

もちろん、山の上でビールを飲むために来たのだから、下山するはずは無い。そもそも避暑に来たのに、下界に下りるのは間抜けである。幕営後は、サンダル履きで、ビールを買いにゆく。目の前にある奥穂高岳に登るよりも、山荘テラスでビールである。

昨年もここでお会いしたAさんと再会する。今年も、春から穂高三昧とのこと、面白い話をたくさん聞かせていただいた。良かった良かった。またお会いしましょう。山荘テラスは、時間とともに飲み会の後のような雰囲気になってゆく。

早めに夕食を済ませ、就寝。暗くなってから、テント設営を始めたパーティーがあった。構わないけど、少し声を低くしてほしいものである。

5日

今日も良い天気である。

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(まもなく夜明け、いいねえ。日が出てしまうと、案外つまらない)

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(前穂北尾根、よく見ると涸沢ヒュッテ)

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(浅間山?から日が登る)

5:50頃、下山開始。
白出沢をてくてく下ってゆく。8:00頃に白出沢出合、「平湯の森」が10:00から営業なので、穂高平で休んで時間調整した。ところが、本年、新装開業した「中崎山荘」では8:00から入浴できる。知らんかった。早速、予定を変更して下山後は「中崎山荘」に車を回す。

お湯は、熱すぎず、疲れた体に心地よい。湯の花プカプカの小生好みの温泉であった。ここは、なかなか良い。

入浴後は、新平湯温泉の「奈賀勢」で定番のテッチャンを食し、神岡の「あすなろ」でコーヒー豆を購入し、満足のうちに帰宅した。

追記: 
①少々、急登に疲れるが、岩があって面白いルートである。装備は軽い方が安全。下山は西穂経由というのも面白かったかもしれない。いずれにせよ、岩に慣れていない人は入らないほうが賢明。
②一眼レフをたすき掛けにして歩いたが、かなり邪魔である。特に、北穂から涸沢岳にかけては、右側を巻くことが多いため、左脇のカメラが岩に当たってうっとうしい。一々ザックに収納するのも面倒である。一方、先月の鋸岳や錫杖岳では迷わずコンデジを持参し、快適であったが、残った写真はなんだか味気ない。・・・。本当なら安全を優先すべきだろう。

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2010年9月 2日 (木)

山で昼寝→ナラ枯損は止まず

8月29日(日)

当初、土・日・月と北アルプスの某所をテン泊縦走する予定であったが、金曜の夕方に確認した天気予報では土曜の天候が崩れるとのこと。この暑さ、この季節でこの山域の雷雨はすさまじい。特に土曜は、長い行程を予定していたので、一気に気持ちが萎えてしまった。日曜に日帰りでいいやと、土曜に赤谷山の登山口まで入り、車中泊した。

朝、予定の時間に目を覚ましたものの、モチベーションが上がらない。仕事の疲れやよく眠れなかったせいもあるが、とにかくダルイのである。簡単に言うと、「登る気がしない」のである。歩いているうちに調子が戻るのは知っている。それでも、今回はやめることにした。

今日は「山で昼寝」に方針変更。

涼しい場所を探し、時に場所を移動しては昼寝をし、最後は馬場島・剣岳登山口前の広い芝生広場にたどり着いた。木陰に銀マットを広げ、ゴロゴロする。多数の巨大アリが体にはい上がり落ち着かない。昼寝の場所としては不適地であった。

それでも、空を眺めながらのんびりと過ごす。

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(ゴロゴロしながら、空の写真を撮る。山にナラ枯が目立つなあ)

山が紅葉しているようにも見えるが、7月頃から目立ち始める。ナラ枯れ発生地域では、かなりの面積で被害が出ており、初めて見た人は驚くと思う。

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(見上げると頭の上の木も枯れている。寝転がって見上げたので逆さま)

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(登山口側の木も枯れている)

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(木の根元は細かい木屑で粉まみれである。フラスという)

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(幹には多数の穴があり、ここから粉が降っている)

この穴は、カシノナガキクイムシの食入抗である。この虫には、糸状菌=カビの一種Raffaelea quercivora(俗に「ナラ菌」と呼ばれる)を運ぶ器官があり、木に食い入るとこの菌か木に感染して増殖し、木を枯らしてしまう。この虫の幼虫は増殖した菌をエサにするらしい。(詳しくは専門書や確かなサイトで調べてね)

つまり虫と菌がワンセットで被害を与えている。良くできた仕組みである。このような例は、海外ではニレ類の立枯病がとても有名で、被害も甚大である。国内にも、こんな樹木病害があるのを最近まで知らなかった。

このナラ枯れは、国内では古くから発生していたらしいが、ここ数年の被害の拡大が著しい。大きな木に虫が集まるらしく、立派な木が枯れ行く姿は実に痛ましい。実害として、「建築材・シイタケ原木などの資源が失われることや景観の悪化、水源かん養機能の低下、どんぐりを餌とするツキノワグマに与える影響などが指摘されている。」とのことである。なお、今年見た、蓮華温泉への入口、大所川左岸の集団枯損は、斜面の崩落を誘発するのではないかと思えた。

今回訪れた早月川沿岸の山々のナラ枯れは、数年前に気が付いた。昨年もかなり目立っていたと記憶する。落葉してしまえば、森の木々に紛れて目立たなくなるだろうと思っていてが、下の写真のように枯損の頻度の高い場所では、森の復活に時間がかかるかもしれない。

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(枯損の頻度が高い場所では、少々後遺症が残りそうである)

さて、以前、マツの材線虫が流行したころ(この線虫はカミキリムシの一種が媒介)、全国でカミキリムシ防除の農薬が散布された。現在では、そんな乱暴な防除をしようという動きは限定されている。現段階で、ナラ枯れに対する実用的な防除対策は無く、根絶は難しい。自然の摂理として、見届けるしかないとも思う。自然界では、こんなことの繰り返しなのだろう。

ちなみに、ナラ枯れは長期的に見て流行と終息を繰り返すらしい、感受性の高いナラ類の個体が淘汰され、終息するのかとぼんやり考えていたが、そんなに単純ではないらしい。天敵(昆虫や微生物)と関係があるのかもしれない。
流行と終息の要因を理解することにより、もしかしたらこの被害を抑制できるかもしれない。(無理かなあ・・・、いわゆる雑木に投資するだろうか)

以上、少し真面目な自然観察日誌になりました。昼寝の成果です。

追記:学術用語等、記述に不正確な部分があるかもしれません。ご容赦ください。

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