« 別山・雄山・奧大日岳など:雷鳥沢を起点にぐるりん | トップページ | 夫婦山:新緑の双耳峰? »

2010年5月25日 (火)

毛勝山:降雪後の谷歩きは危険

2010年5月16日

現在の毛勝山は尾根上に登山道が開拓されているが、かつては登山道が無く、残雪期にしか登れない山とされていた。一般に、残雪期の毛勝山に登るには、長大な毛勝谷の雪渓をつめてゆくが、ここは落石の多い危険なルートとしても知られている。

リスクの高い山域ではあるものの、雪の状態が比較的安定しているこの時期であれば、少しは安全に登れるものと考えて出立した。ただし、後で知ったのだが、2日前に上部で降雪があったらしく、むしろリスキーな山行となってしまった。

アプローチの林道は除雪されておらず、片貝第4発電所を過ぎた成谷堰堤あたりに駐車し、そこから歩くことになった。このため、阿部木谷の最終堰堤を通過したのは6:45頃で、予定よりも入山が遅れてしまった。ここからは頂上までは終始雪渓の上を歩くことになる。

Dsc_05681

(阿部木谷口、新緑が美しい)

Dsc_05771

(板菱あたり)

明神沢分岐あたりで、最近、降雪があったことを知る。更にすすんで、三ノ又からは斜度が増してくる。ここからしばらく谷はデブリで覆われており、デブリを越えたあたりで、アイゼンを装着した。昨日のトレースを覆うデブリは、昨日の遅い時間帯に雪崩があったことを示していた。今日は、昨日よりも気温が高まると予想されており、雪崩が生じる危険性は昨日よりも高い。早い時間帯に下山することとし、先を急いだ。

Dsc_05851_2

(三ノ又手前)

ところが、足がすすまない。雪が重く、足場が悪いせいもあるが、明らかにバテバテで力不足である。通常なら三ノ又から2時間足らずの行程を3時間ほどかけて頂上に到達した。

Dsc_06081

(剣岳方面)

頂上からは、剣岳、北方稜線の山々、後立山の山々が一望できる。すばらしい眺めである。12:00頃、コル直下の急な斜面を下降した。次々に後続の登山者が登ってくる。スキーヤーが多い。彼らが滑降を始める前に降ってしまいたい。小生のようなツボ足は逃げ足が遅く、雪崩から逃れることが容易ではない。先を急ぐ。

気温が高く、汗が噴き出してきた。ヘルメットが暑くてならない。雪も腐ってきており、重い雪に足が取られて、思うように足がすすまない。最後の登山者とすれ違ってしばらくゆくと、今朝通過したデブリ帯に突入する。気温が高く、デブリまでもが緩んで、軟らかいシャーベット状となっていた。

安全地帯まであと100mほどのところで、ドスンという大きな音に振り向くと、200-300mほど上部の斜面が大きく盛り上がっているのが見えた。雪崩である。左岸にむかって全力で走った。2度転倒し、その度、雪崩が間近に迫っているのを確認する。なんとか、左岸斜面によじ登った直後、足下を雪崩が通過していった。間近で雪崩を見たが、あのような重い雪に練り込まれたらとても助かるまい。谷全面を覆う大きな雪崩であった。

幸い、先行の登山者は安全地帯に達しており、後に互いの無事を確認した。以降、サクサク降って、14:00頃片貝山荘前、14:40頃駐車場にたどり着いた。

下山後は、魚津市の「金太郎温泉」で汗を流した。硫黄臭の強い、温泉らしい温泉である。良い湯であった。

追記:
今回のルートは技術的に特に難しいルートだとは思わない。条件が許せば、難なく頂上に到達できるだろう。ただし、避けがたい雪崩や落石の危険性が高く、スピードと判断力が必要なルートだと感じる。
また、今回、雪崩に巻き込まれなかったのは、たまたま「運が良かった」としか言いようがない。GPSのログを解析してみると、雪崩が生じたのは12:40頃であった。その時間、すでに雪のコンディションはかなり悪かった。このような気温が高い季節は、日中の早い時間帯でも雪崩が生じうる。

教訓:
①降雪後は毛勝谷(のような谷)に入ってはいけない。
 恐らく、当分、毛勝谷に入ることは無いと思うが、次に、この季節、毛勝山を登るとしたら、西北尾根から入り、雪稜歩きを楽しみたい。

②危険地帯を早く通過するスピード(登攀力)が必要。
 やはり、スピードと技術があれば、危険に遭遇するリスクは著しく減少する。若い時に基礎体力をもっと高めておくべきだった。

③もっと情報収集に力を入れるべき。
 林道の除雪状況など事前に情報を得ていれば、入山を早め、結果、今回の危険に遭遇しなかったかもしれない?リスクのある山行は、それなりに事前の研究が必要。

④引き返すべきであったかも再考
 今後の山行に活かしたい。経験値は高まった。

|

« 別山・雄山・奧大日岳など:雷鳥沢を起点にぐるりん | トップページ | 夫婦山:新緑の双耳峰? »

」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/505224/48436984

この記事へのトラックバック一覧です: 毛勝山:降雪後の谷歩きは危険:

« 別山・雄山・奧大日岳など:雷鳥沢を起点にぐるりん | トップページ | 夫婦山:新緑の双耳峰? »